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藤原頼長萌え♪院政期最高です~w(続き)かなり『双調平家物語』の感想

挫折知らずの頼長さん。が、ピンチの芽は本人が知らぬ間に生じていました。うん、人生そんなもんだよね。ピンチの芽って上手くいってるように見える時に潜んでることが多々あるから、本人は気づきにくい。で、気づかないうちに徐々に大きく育って行く。
頼長にとってのピンチの芽は、やはり人間関係に起因するものでした。当たり前か。はたから見れば、敵作ってなんぼの生き方だもんね。頼長の敵はまず兄であり養父である摂政・忠通。頼長は元々男の子がいない忠通の後継ぎとして養子になったんですが、その後忠通に男の子が生まれちゃうんですよね。まあ忠通お兄ちゃんとすると、当然実子に跡を継がせたいわけで、弟は邪魔な存在になるわけです。まあ元々馬が合わない兄弟だったんですが。兄弟仲の悪い背景には、忠実パパが頼長ばっかり可愛がるということもあるんでしょうね。
で、もう一人の強敵。こっちがラスボスですが、鳥羽院の后、得子。彼女は頼長のことが嫌いです。当たり前ですね。(たとえ陰でも)下賤呼ばわりしたらそりゃ嫌われるわ。昨日も書いたんですけど、頼長って自分が「本来あるべき」だと思っているあり方にとことん固執して、それを世界において徹底的に実現しようとするんですよね。だから周囲とぶつかる。まあある種の原理主義者かなあと思うんですけど。
得子に対する徹底した嫌悪もそんな彼のスタンスの表れなんですよね。なんであんな出自の低い女が権力を持って威張ってるんだよ、道理に合わない、本来あるべき秩序から外れている!という感じなんですよ。普通はそう思っても、表面的には力のある相手を立てて、そのうえで利用してやろうとか考えると思うんですがね。政治的センスが乏しいですよね。『双調平家物語』著者の橋本さんは、頼長の得子や家成など「出自が低い成りあがり」に対する嫌悪の内に、彼のコンプレックスを見ておられます。頼長の母は、摂関家の家司(事務を司る職員)の娘で、摂関家の息子の母親としては出自の低い女性なんですね。ちなみに忠通お兄ちゃんの母は、右大臣の娘です。頼長にとって、母親の出自が低いということが強いコンプレックスで、「出自が低い成りあがり」対する彼の嫌悪は、自身のコンプレックスの表れだったというんですね。なるほど~。自分自身とアナロジカルであるからこそ、コンプレックスが働くということなんでしょうか。
とにかく得子に嫌われたことが、頼長の運命を決定づけたと言ってもいいでしょう。忠通と得子は、反頼長で手を組み、頼長は追い詰められていきます。いつの間にか事が自分の思う通りに進まなくなっていることに気づいた頼長は茫然自失に。
そんな息子を忠実パパが心配して、愛人の源成雅を使者として頼長の元へ遣わしてきます。実はこの成雅と頼長、因縁のある関係なんですよ。頼長は、かつて父の愛人である成雅を妬んで、失脚させたんです。頼長からすれば、父から愛されるのは、自分だけじゃないとダメ。自分以外に父の愛情を受ける者がいるなんてあってはならないわけです。ホントに幼いですよね、20代半ばの男がw
さて、因縁の二人が対話する場面なんですが‥これがいい‥!たぶんこの7巻で一番ドラマティックだし、一番泣ける場面です!頼長はかつて憎んだ相手に許しを請い、二人は和解し、気持ちが高揚するまま抱き合います。そして、頼長は、成雅を抱く中で、初めて本当の意味で人を求める心を知り、癒されます。
ここって、たぶん頼長の変化を表す象徴的な場面なんですよね。頼長は、他人から離反され孤独になって、行き詰まりや挫折を味わったからこそ、人に許しを請い、人を求めるようになったんではないかと。「他人は自分に従属し、自分のものになって当然」と自分の力を確信していた時とは違う頼長の姿です。
「求められて成雅は、頼長を癒した。癒されて頼長は成雅の腕の中で退行をした」(『双調平家物語7』285頁)。この一文、好きなんですよ~。頼長が子供のようになりふり構わず他人を求める感が出てて可愛いし、心に響くものがあります。
著者の橋本さんは、頼長を世間の空気も時流も読めない「愚か者」(勉強はできるんですけどね)として描いてるんですが、でもどこか頼長に対する愛情というか同情のようなものを感じます。だからか読んでるなかで、頼長が追い詰められていくと、すごく切なくなる(笑)
後、『双調平家物語』を読んでて思ったんですけど、頼長ってファザコンっぽいですね。成雅に対する仕打ちからもそれは伺えますが、なんというか父親に愛され、期待されるということが自信の源になっているような。保元の乱で瀕死の重傷を負った時も、最後に一目忠実に会ってから死にたいと願うんですよ。結局忠実パパからは面会を拒まれちゃうんですが、それを知らされた時の頼長がもう可哀そうで。忠実からすれば、謀反人になった息子を邸に入れたら、自分の立場とか家が危なくなるわけで、仕方のない選択だったんでしょうが‥。頼長の最期は哀れで(でもどこか美しい場面でもある)、涙なしには読めません。

長々と書いてしまいましたが、何が言いたいかといいますと、個人的には、頼長は、単に「俺が正義だ、俺が法律だ」という暴君(そういう暴君的なところとも、もちろん彼の本質だとは思いますが) としてだけ描くよりも、弱さや愚かさ、不器用さ、幼さを全面に出して描いた方がしっくり来るかなということです。まあ今年の大河では敵役だし、脇だから、あんまり掘り下げる余裕はないでしょうが。それでも、何となく彼の「幼さ」みたいなものはちょっと出てるかな?いっそのこと『双調平家物語』を下敷きにして、ドラマ「藤原頼長」を作ってくださらないだろうか。別に大河とは言わないから。(そんな贅沢は言えないw)新春時代ドラマとかでダメですかね?いや、正月から男色やったらお茶の間が大変なことになるか。とにかく深夜枠でもいいので、一本お願いします、NHK様。キャストは今回と同じ山本さんで。

上の文からお分かり頂けるかもしれませんが、私は、「隙とか脆さ、ダメな部分がある子」が好きです。単なる「アホの子」には萌えませんがww「隙のあるおバカなエリート」とかツボです。学業優秀で、理想やプライドはやたら高くて、脆さもあって甘ちゃんな部分もあって、頑固で世渡りが下手で‥。実際にいたらお近づきにはなりたくないタイプに小説とか歴史の中だと萌えたりするんですよね‥。(周りにこういうタイプがちらほらいますが、あんまり萌えない‥)。自分と関係のない、リアルではないところに存在するからこそ萌えるということなんでしょうか。
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テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : アニメ・コミック

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まとめ【藤原頼長萌え♪院政期】

挫折知らずの頼長さん。が、ピンチの芽は本人が知らぬ間に生じていました。うん、人生そんなもんだよね。
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