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かわい有美子『進行性恋愛依存症』

最近、かわい先生のお話にすっかりはまっています。今回は『進行性恋愛依存症』の感想です。ツンデレ秘書に萌えました♪

進行性恋愛依存症 (ビーボーイノベルズ)進行性恋愛依存症 (ビーボーイノベルズ)
(2008/10)
かわい 有美子

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九鬼瑛一(やり手傲慢社長)×御巫圭(ツンデレ秘書)

受の粘り勝ちといったお話でしたね。実に15年にもわたる執着愛には感動を覚えました。
若手企業家の九鬼の秘書である御巫の仕事は、九鬼のビジネス・プライベート両面をサポートすること。御巫の仕事ぶりは隙がなく、行き届いたものなのですが、御巫は九鬼の前では一切感情を覗かせることなく、機械のように振舞います。過去の可愛く一心に自分を慕ってくる御巫とのあまりの違いに九鬼は苛立ちを覚えます。しかし、御巫の変化にははっきりした理由があるんです。 

二人は大学バスケ部の先輩・後輩でした。九鬼は日本屈指の天才的なスタープレイヤー。怪我のために選手の道を諦め、マネージャーとなっていた御巫は、九鬼に対して崇拝と恋慕の情を抱いていました。将来を嘱望されていた九鬼でしたが、ある夜、事故に巻き込まれたことで、生活は一変します。後遺症でバスケはおろか、一生歩くことすらままならないかもしれないという体になってしまうのです。友人も恋人も離れていく中、ただ一人御巫だけは、九鬼の側で献身的に尽くします。日常生活やリハビリの介助に加えて、性欲の処理まで(大人しい御巫が九鬼に乗っかっちゃう場面は、御巫が可愛すぎて、ちょっぴり萌えてしまいました。介護萌え?)。が、御巫の献身は、九鬼にとっては重荷だったんですね。自分を知る者がいない場所で再出発するために、九鬼は御巫に何も告げることなく突然、アメリカに渡ってしまいます。

当然、残された御巫は深く傷つき、何かが欠け落ちたようになってしまいます。それでも九鬼を忘れることができず、彼を憎んだまま想い続ける。そして、10年余を経て、帰国した九鬼に誘われ、共に仕事をするようになってからは、御巫はは九鬼に対して心を閉ざし、そんな御巫に九鬼は苛立ち、すぐ側にいるのに限りなく遠い、そんな関係が二年以上続いていきます。九鬼に心を閉ざしながらも、身を粉にして九鬼のために万全のサポートをしようとする御巫がホントに痛々しい…。九鬼にとって自分は無価値な存在なのだ、とひたすら自虐思考まっしぐらの御巫が哀れすぎて、かわい先生、これ以上御巫を虐めないで、とか思いながらもつい萌えてしまいました(私ってSか?)。 

二人の間には、純然たる意識の差があるんですよね。学生の頃、御巫にとって、九鬼は世界の中心だったんだと思います。それに対して、事故直後の九鬼は、心の中に他者を容れる余裕はなく、ある意味「自分しかいない」ような状態だったので、御巫を「捨てた」という意識すらないんですよね。だからこそ、御巫がなぜ自分に対して心を閉ざしているのかが分からない。うう~ひどい鬼畜だ、九鬼…。

ただ事故直後の九鬼の気持ちも考えてみると辛いですね。御巫は、決して同情からではなく、ただただ純粋に九鬼の役に立ちたい、九鬼に尽くしたいという一心で側にいただけなんですけど、プライドが高い九鬼にとって、無力感の中で相手から一方的に与えられるという関係は耐え難いものだったんじゃないかな。過剰な贈与は時に相手の負担になりますよね。だから、九鬼が御巫の方を向くには、少なくとも九鬼が自力で運命を切り開こうとする強い意思を取り戻す必要があったのかもなあと思いました。

御巫にとっては、本当に辛い15年でしたね。彼の中で、この15年というのは、止まった年月だったんではないでしょうか。御巫の仮面が剥がれ落ちて、泣きじゃくりながら、九鬼に向かってずっと抱えていた複雑な感情を吐露する場面はこっちも泣けてきました。

「あなたなど…憎んで…憎んで」

ずっと憎みながらも恋慕を捨て去ることが出来なくて、だからどんなに辛くても側にいることをやめられなかった…。切なすぎる…。長い時をかけて求めていたものを手に入れた御巫には本当に幸せになって欲しいです。

ただ、九鬼が御巫に対し「愛おしさ」を感じるのが唐突なんですよね。なぜあの場面で?という観が否めないというか。直前まで征服したいという欲求しかなかったはずなんだけど。まあこの征服欲はイコール御巫に対する特別な執着なんでしょうね。この執着を本人がはっきり自覚してなかったことが、結果として御巫をより傷つけることになったわけですけど。ていうか、帰国して、御巫を探し出そうと思った時点で自分の気持ちに気づけよ!と言いたいです。ここまで拗れる前に、九鬼が一歩進んで御巫の気持ちを聞き出してやれなかったのか…?いや、何よりも御巫が自分の行為によって傷ついたということを思いやれなかったのか。御巫を置き去りにした以上に、再会後の九鬼の態度に対して私はより腹立たしさを感じました。

でも恋愛ってそんなものなのかもしれないですね。ある瞬間に何かのきっかけで突然相手への気持ちを自覚する、そんな気まぐれで、時に残酷なものなのかなあと九鬼を見ていてしみじみ思いました。

全体として、ラブラブの場面の割合が少なかったので、その後の二人のラブラブな姿を番外編で描いて欲しいなあ。
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テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : 本・雑誌

コメント

エレニさん、こんにちは♪
かわい有美子さん、いいですね~。上手くて安心して読めるし、キャリアのわりに「ベテランの悪い意味の慣れ」みたいなものもなくて、私も大好きです!

この作品は、御巫が不憫で仕方がなかったです。
九鬼が、とてもヒドイ男にみえました。世界で自分が一番不幸だと思っていた時期だから、御巫の気持ちを思いやる余裕がなかったのはわかるけど、それにしても酷過ぎで。
御巫は怖いほど九鬼を愛してますね。ここまで愛されたら男冥利につきるな~。これからは、今までの仕打ちの罪滅ぼしのためにも、御巫を人一倍大事にしてほしいと思いました。

>ラブラブの場面の割合が少なかった
そこが物足りなかったですよね。
同人誌でも番外編は書かれてないんじゃないかな?
もう少し甘さが欲しかったです。

Re: タイトルなし

みずほさん、コメありがとうございます!

>キャリアのわりに「ベテランの悪い意味の慣れ」みたいなものもなくて、私も大好きです!
分かります!何冊読んでも飽きないですね。色んなタイプの恋愛が描ける作家さんだなあと思います。

> この作品は、御巫が不憫で仕方がなかったです。
> 九鬼が、とてもヒドイ男にみえました。

九鬼は酷い男でしたね~。身勝手だし、傲慢だし、何より御巫に対して何の罪悪感も抱いていないところに腹が立ちました。九鬼も辛い状況にいたのは分かるんだけど、せめて後からでも当時を振り返って自分がどれだけ御巫を傷つけたのかを自覚する謙虚さとか優しさがあってもいいのに、と思いましたね。基本、自己中な人ですよね。そんな九鬼に15年間もの間、囚われ続けた御巫が不憫です。ホント、九鬼には長い間苦しめた分を補って余りある位の愛情を御巫に注いで欲しいと思いました。

> もう少し甘さが欲しかったです。
ですよね。ずっとギスギスしていましたから、もうちょっと甘さを、と思いました。番外編がないのは残念です。
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